2013年3月7日木曜日

MANNISH BOYS.Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!.レビュー

3月1回目

MANNISH BOYS - 『Ma!Ma!Ma! MANNISH BOYS!!!』<20年後、ベトナムの子どもが聴いたら。>


日開催が発表されたチバユウスケ×中村達也主催のライブイベント・WEEKEND LOVERS'13、チバはThe Birthday、中村は斉藤<やさしくなりたい>和義と2012年に結成したMANNISH BOYSで全国行脚するとの報を受けて、一回聴いただけでそのままになっていたMANNISH BOYSの音源をあわてて引っ張り出してみました。

 そう、これ一回しか聴いていないのです。




音楽が一番幸福だった時代を彷彿とさせる素晴らしいギターリフにのせて、「マ・マ・マ・マニッシュボーイズ!」と中村・斉藤両氏がアルバム名をコールするインストから始まるこのアルバムは、ゲストミュージシャンをいれず(1曲だけSOIL & “PIMP” SESSIONSの秋田ゴールドマンがダブルベースで参加)、斉藤がシンセを弾いたりベースを弾いたり、中村ががっつりコーラスをしたり、二人の台詞の掛け合わせがあったりと二人それぞれの本業では見られない仕掛けが全体に散りばめられている。4曲目[DIRTY BUNNY]でのピコピコ感や7曲目[Oh! Army]のカズー、そして11曲目[ないない!]では斉藤がドラム、中村がギターを弾いてしまう。という暴れっぷりを聴かせながらも、[LINKEYLINE][カーニヴァル]をはじめとして全体では一貫してギターとドラムをがっつりと魅せる一本筋のばしりと通った気持ちのいい一枚。




 やっぱりうまいなあ二人とも。と嘆息すらしてしまう気持ちのいいギターとドラムは、それだけで100回はリピートできるほどなのですが、それを1回聴けばいいや。という気にさせてくれたのは、その「歌詞の強さ」でした

 「原発反対」「腐った政治家」――「MANNISH BOYS(マセたガキ)」というユニット名とは裏腹に、強く真剣なメッセージ。あまりにはっきりと聴こえるものだから、それはどうしても排他的に――たとえば原発推進派の子どもが聴くことを許さないように――リスナーの間に境界線を引いてしまいます。
 もちろん[あいされたいやつらのひとりごと~青春名古屋篇]みたいに、茶目っ気たっぷりの歌詞もありますが(でもこれだってよく考えればかなり排他的ですなあ。)、ハブ ア ジラフ、ジャケットのキリンのように「笑っちゃうよ、まったく」ぐらいの寛容さがもっと全編にわたっていれば、100回。といわず何千回でも聴いただろうと思います。


 だからきっとMANNISH BOYSは、20年後のベトナムの都市の中学生が聴いて夢中になるでしょう。なぜなら彼らには「原発反対」や「腐った政治家」という"日本語の"メッセージは届かず、ただただひたすら素晴らしい二人のリズムとメロディが聴こえるだけだから。(中山裕子)


BGM
①Art Tatum - Moon Song
②Art Tatum & Ben Webster - Where Or When

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